秘密のクランクベイト フラットシャッド ソニーBとフラットシャッド リトルPT
雨貝健太郎氏の著書「秘密のクランクベイト」の中でケビン・バン・ダムが100個単位で注文したルアーとして紹介され、一躍ブレイクしたフラットシャッド ソニーBと派生ワイドウォブリングタイプのリトルPTのお話です。
実はフラットシャッドのルアーのうち、最注目モデルであるはずのフラットシャッド ソニーBに関しては分からないことが多いです。秘密のクランクベイトに紹介されているフラットシャッド ソニーBと実際に売られている(た)ソニーBだと、本の写真に出ているモデルのほうが僅かに肉薄で、リップの取りつけ角度も違うような気がするんです。
実際のこの形状差がルアーアクションにどのような違いを生むのか何とも言えない部分もあるんですが、なんとな~くバスプロ達が競って買い占めていたフラットシャッドとは違う気がするんですよね。確かに日本で初期に売られていたフラットシャッド ソニーBはそこそこ良いアクションで、当時あまり無かった強いタイトウィッグルタイプでウッド素材にも関わらず良く飛ぶ優等生ルアーでしたが、雨貝氏が力説しているフラットシャッドと実際のフラットシャッドの間の乖離がどうしても埋まらなかったのです。
ちなみにフラットシャッド社のルアーは日本でのブーム以降、わずか数ヶ月で急激に品質が低下し、元々あった製品毎のバラツキなども更に目立つようになってきました。ブームが良品を駄目にしてしまう典型ですね。以下の写真を見て下さい。
初期物も現行物も例の写真との間ほどには差はないのですが、結構分かり易い識別ポイントがあります。絶対サンプル数(友人のを含めて50数個程度)が少ないので断言はできないのですが、上記のように左側の初期物は「秘密のクランクベイト」の写真同様、大抵リップの付け根あたりまで塗装が入っているのに対し、現行物はリップの部分には塗装が入っていません。おそらくこれは生産工程が変わった為だと推測され、あきらかに生産合理化・実作業者もしくはフローの変更が行われた事を示していると思います。
ちなみに同じく同書の中で紹介されていたフラットシャッド リトルPTとフラットシャッド リトルBは未だに私も使用する機会があったりします。前者は初期ロットから製品誤差、特にノーマルモデルに採用されているシダーウッドの比重にバラツキが激しいこと(クラシックのバルサも同様だが)から中々一軍として使うには難しいところではありますが、SSSでもつんのめってしまうようなどシャローにおいて高活性のバスを引きつける力が強く、ジャークなども非常に良い動きをすることからピンポイント的に投入したりしています。
最後にフラットシャッド リトルBですが、これは非常に明滅効果の激しいルアーでフラットシャッド社のラインナップの中でも製品誤差が少ない、もしくは誤差があってもアクションに悪影響の少ないモデルだと個人的には感じています。実はリトルBは雨のダム湖(高活性のクリア&スキニーウォーター)で凄まじい爆釣を経験したことがあり、雨貝氏のリトルB評価通りのパフォーマンスを見せてくれました。
実はフラットシャッド リトルBと同じようなタイプのルアーが2つほどあります。クランクベイトの中で1種、ミノー(ジャークベイトというよりもリーリングミノーというべきルアー)の中で1種、代用になりうるプラスチックルアーがあるのですが、前者は日本ではサイズが大きすぎ(+カラーが少ない&日本でほとんど売ってない)、後者はリトルBが得意な超ファースト&スローリトリーブでのアクションで劣る事から、結果的に私の中ではこのジャンルで唯一無二の存在になっている状態です。
一時は大騒ぎになったフラットシャッドですが、これがきっかけだったのか国産でも面白いウッドクランクが次々出てきたのは喜ばしいことです。ほとんどが駄作に終わっていますが、中には凄い掘り出し物があったりするので今後少しずつ紹介していこうと思います。
あと雨貝氏の「秘密のクランクベイト」にはルアー紹介よりもクランクベイトでバスを釣るために重要なことが色々と書かれて(もしくはぼかして書いて)います。皆さんもこの本を読む際には裏の裏まで読み込むと面白いと思いますよ。このようなヒントの中には「なんとなく無意識に」実践していることもあるのではないでしょうか。
NORIES(ノリーズ) ワーミングクランクショット フルサイズ
国産クランクならこれも一押し
コメント