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2009年5 月 4日 (月)

メルクリン破産申請と周りの反応について

子育ての関係(というより子供に破壊される恐れがあるのでsweat02)でメルクリンからすっかり遠ざかってしまっています。最近思いがけない所でメルクリンの話題が出たので少し書いてみます。

私の場合、メルクリンユーザーの知り合いはWebサイトで知り合った方々以外にはいないのですが、最近仕事関係で知り合った方と飲んでいるときに「いずれ鉄道模型やりたいけどなぁ・・・」とおっしゃってて、私がメルクリンを少しかじっていることを話すと猛烈に食いついてきました(笑)。

気になったきっかけは残念なことに例のメルクリンの破産申請のことがあったかららしく、彼が言うには優雅な老後をメルクリンのような本格的な鉄道模型をやりながら過ごしたい・・・という夢があったからとのことでした。

自分自身も数年前に思い切ってメルクリンを始めるまでは同じような思いを抱いていたので、なんとなく共感するところがあったんですよね。

幸いなことにメルクリンはその後も、多少の混乱はあったものの夏に向けての新モデルなど明るい話題も出てきていますので、事業継続には今のところ問題なさそうでほっとしています。

で、私のメルクリンライフですが・・・せっかくHAGRe460(こだわりのVetro Swiss広告車両)のmfxデコーダー版を特注したのですが、まだ一回しか走らせてません。そのうちこのあたりの車両も紹介していきたいと思います。

2007年12 月30日 (日)

メルクリン(39835) BR182 Taurus ポルシェの電気機関車?

ドイツの最新鋭電気機関車であるBR182 Taurusは元々オーストリア連邦鉄道(OBB)の貨客両用機関車としてシーメンスで開発された1016/1116とほぼ同じ仕様の機関車です。このDB Cargo のBR182という機関車が誕生するまでの経緯は現代のヨーロッパの電気機関車事情をよく表していて中々面白いので少し書いてみたいと思います。

汎用電機機関車プラットフォーム ユーロスプリンターとTRAXX

従来ヨーロッパの鉄道車両メーカーは長年様々な国・地域の要求仕様に応じていわばオーダーメイドのような機関車を製造するケースが多かったのですが、1990年代に入り顧客であるヨーロッパ各国の鉄道会社は高コスト体質からくる経営難や相反する輸送需要の増大、既存機関車の老朽化など様々な問題を抱えていました。このような情勢から「高性能な新型機関車を導入したいけれど、調達・運用コストは抑えたい」という各社の思惑もあり、機関車の汎用化と仕様共通化、大量生産による製造コスト引き下げ、保守部品の共通化などによるメンテナンスコスト低減などを企図したシーメンスユーロスプリンターボンバルディアTRAXXのような汎用プラットフォームの採用による新型電機機関車が登場してきます。

ドイツの次世代重貨物電機、BR152の性能と不運

ドイツ国内でも老朽化してきた重貨物機BR150の置き換えとして、同じくユーロスプリンタープラットホームを元に重貨物に最適化された仕様でBR152が開発されます。このBR152はDB Cargoから195両の発注を受け好調な滑り出しをしますが、発注された195両のうち25両は従来オーストリア(OBB)へ直通運転しているBR150の運用を置き換え、かつ増発するための車両でした。

一方BR152の開発と前後してオーストリア連邦鉄道も新型機関車の導入を考えていました。これは冷戦崩壊後、急激に増大する東欧への輸送需要への対応や老朽化してきた機関車を淘汰することが主目的であったため求められる性能も高く、かつ大量の発注が見込める案件で、この要求仕様に対してシーメンスは上記で触れた最新鋭のBR152をベースとした車両の提案をOBBにすることになります。

BR152は重貨物用として設計・開発された優れた性能を持つドイツの最新鋭電機ですが、上記の通り汎用化プラットフォームをベースにしている為にBR152を小改造すればOBBの要求仕様である・・・

貨客両用

「最高速度200キロ以上」

「列車の輸送単位を10%向上(主に急勾配での貨物輸送を想定)」

という厳しい条件をクリアできる・・・はずでした。ところがBR152はOBB路線の急曲線における横圧の問題(横圧がOBBの規定より過大になる)を克服できず、OBBへの入線を許可されなかったためBR152をベースにOBBに最適化された新型機関車を開発することになりました。これが後のOBB1016(単電源タイプ)/1116(多電源タイプ)です。

上記のような状況でBR152のOBB直通運転は絶望的になり、DB Cargoの発注していたBR152の195両のうち、オーストリア直通用として考えていた25両はOBBに最適化された1116という多電源タイプをコピーして仕様変更扱いで発注されます。これが現在のBR182 Taurusです。コピーのベースを単電源仕様ではなく多電源仕様としたのは将来のSNCF(フランス国鉄)直通運転を考えてのことと、単電源仕様の1016と1116の価格差が軽微だったことが理由ではないかと言われています。

このようにシーメンスの1016/1116及びBR182は従来開発が難しいと言われていた貨客両用で高速仕様にも耐えられる優れた機関車であるため、OBBやDB以外の鉄道会社も多数導入しています。特にオーストリアやハンガリーの鉄道事業者やHUPACDispolokなどの運送・機関車リース会社なども導入しており、オーストリア/ハンガリーを中心とする中央ヨーロッパ地域では長期間主力機関車として活躍が期待されています。

メルクリンのBR182/OBB1016&1116及び派生型モデル

メルクリンからもOBBの1016/1116だけでなく、MWBES64U2(39384)やDispolok(39356)やHUPAC(39357)の1116などが過去に発売され、今回紹介するポルシェ広告塗装のBR182はメルクリンの2006年モデルとして去年発表されました。

メルクリンBR182(ポルシェ広告塗装)画像

近年のメルクリン製品らしい綺麗な仕上がりのボディもさることながら、このモデルには最新のメルクリンらしい魅力的なギミックが満載されています。ヘッドライト・テールランプの表示・警笛などを実車同様のパターンで再現できることは序の口で、走行速度に応じたシーメンス製インバータ独特の「歌う電車」音も忠実に再現されています。これは最新のデコーダーであるmfxデコーダのマルチファンクション機能のなせるわざですね。

メルクリンBR182(ポルシェ広告塗装アップ)画像

メルクリンBR182 004-2ボディサイドのポルシェ広告塗装部のアップ画像です。車の意匠は911にもケイマンにも見えますね。。。実車はポルシェの車両・部品を鉄道輸送するのに使われていますが確か当初はポルシェ社の所有ではなくリース車を広告塗装しているだけだったと記憶しています。欧米の鉄道画像サイトなどを見ると車の輸送だけでなく様々な貨物列車の運用に従事しているようですが、去年DBが「ポルシェが新車や部品の配送に鉄道輸送を効果的に用いていることを感謝・表彰」するということでこの機関車を寄贈したような記事が出ていましたので現在の所有権はポルシェにあるのかな?(詳しい方教えて下さい!)。このような話題性もあったのかこのポルシェ広告塗装モデルがメルクリンからも発売されたようですね。見た目もBR182にこのシルバーのカラーリングは中々精悍で好きですね。Rocoからも同型が去年発売されたようですが、あっという間に売り切れたとか・・・。

メルクリンBR182(ポルシェ広告塗装アップ)画像

私は大学で第二外国語がドイツ語選択だったのですが身に付いておらず、何て書いてあるのか分かりません^^;

ダースベイダーのようなフロントマスクを持つ、このBR182/OBB1016&1116の流麗なデザインはSBBRe460同様「現代的だけど格好良い」貴重な機関車だと思いますね。本当はメルクリンのOBB仕様車(とOBB客車)も欲しいのですが、ここ1年~2年の嵐のようなメルクリンの新製品構成に財政が逼迫しており(汗)、どうしても優先順位が下がってしまっています。このポルシェモデルは限定販売モデルであったことと、早いうちに在庫が無くなりそうな予感がしたのでポルシェの貨物キット(47125)と一緒に去年秋に発注し、年明け早々入荷しました。

尚、BR152及びBR182の開発経緯に関しては下記のサイトを参考にさせて頂きました。とても読み応えがあります^^;

参考記事:Railways in Germany

2007年12 月15日 (土)

メルクリン(39579) DB BR103.1

ドイツの電気機関車というとDB(ドイツ鉄道) BR 103.1を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。何を隠そう、私がメルクリン(というよりも欧州型鉄道模型)を始めたいと思った最大の動機がこのBR103.1の鉄道模型がどうしても欲しかったからということがあります。

卵型で流麗なデザインを誇るDB BR103.1はドイツ本国だけでなく、日本をはじめとした世界中で人気のある電気機関車です。103.1という形式名は知らなくても「ラインゴルトを牽引していた小豆色とクリーム色の電気機関車」ということで記憶されている人も多いのではないでしょうか。すでに第一線は退いていますが、人気だけでなく実力も中々のものでTEE及びF-Zug(後年のIC/ECに相当)の最高速度を200km/hに引き上げられるべく、ドイツ鉄道の次期主力機として開発された電気機関車でした。

後継のBR120に不具合が多かったこととBR103.1の機関が思いの他丈夫で良好だったことから、つい最近まではドイツでも一部区間で走っていたようですが、現在はほとんどが廃車されていると聞いています。残念な話ですが、熱心なファンが動体保存しているとか・・・。

それでは本題のメルクリンの103.1モデルの紹介をしたいと思います。下の画像がメルクリンが2003年のインサイダーモデルとして発売したBR103.1の137号機モデル(39579)です。

メルクリン(39579) DB BR103.1

私がメルクリンを始めたのが2006年の秋だったのですが、この当時はTEEカラーのBR103.1はメルクリンのカタログモデルから落ちており、発売から三年経ったインサイダー限定モデルが手に入る可能性があるモデルの中で一番魅力的に思えたので方々で探していました。結局USのe-bayで割安で出品されていたものを購入できました。

このメルクリンの39579というモデルはメルクリン初のパンタグラフ昇降機能を搭載しているモデルで、サウンド機能などは省略されているものの車体のディテールやLEDランプの照度など含めて中々満足度の高いモデルになっています。やはり金属製ボディはいいものです。

メルクリン(39579) DB BR103.1パンタグラフ画像

パンタグラフはシングルアーム形状のタイプで、昇降機能はピエゾモーターを採用しています。昇降速度は速すぎず、遅すぎずで良いのですが片方のパンタグラフのみ動きがギクシャクしているのが唯一残念な部分でしょうか。これは個体差というよりも構造上の問題のようですのでしょうがないですね・・・。ちなみにこのピエゾ素子を用いた機構、技術的にはドイツが一番進んでいるらしく、ここ数年のメルセデスベンツBMWの直噴エンジンにもこのピエゾ素子を用いたインジェクションシステムが採用されていたりします。

関連記事:メルクリンの長所
参考記事:So-net blog:Spielkiste:BR 103 137-6 / DB Ep.IV

2007年9 月 8日 (土)

製造メーカーによる客車スケールの違い

メルクリンが他のヨーロッパ鉄道模型メーカーと大きく違う部分に、Rのきついカーブでも曲がれることを考えた模型デザイン思想があります。これはどのような結果として現れていたかと言うと、走破性を高めるために客車のスケールのうち全長方向を切り詰めるということになっていました。ただ、このメルクリンの数少ない「デメリット」も最近では無くなりつつあることは書いて置くべきでしょう。

私は最近始めたので古い時代の客車模型のことはよくわかりませんが、私が所持しているメルクリンの客車群のうちほとんどが全長27センチのショートスケール客車です。欧州鉄道に詳しい方なら、実際の欧州の客車が全長方向に非常に長い規格で作られていることは御存知かと思います。確かに模型という玩具の性格上、リアリティを求めれば走破性やシステムの優位性などよりもROCORIVAROSSIなどのフルスケール模型に興味をそそられる気持ちは分からなくもありません。

ただ、嬉しいことに最近のメルクリンの新作客車はほぼフルスケールといっても差し支えない28.2センチモデルが主流になりつつあります。この新スケールのモデル達はメルクリンの持っている走破性と高い質感を維持したまま、模型としてのリアリティと精緻なディテールの向上を両立してきているのです。以前はこのディテールの部分でも他社に比べて劣る部分があったことは事実ですが、最近ではこの分野でもNo1になりつつあるのではないかと個人的には思います。

次回からはこれら、具体的な機関車・客車の紹介と最近のメルクリン製品の紹介などもしていこうと思います。

2007年8 月19日 (日)

メルクリンの長所

HOゲージにおいて他の鉄道模型と比較したメルクリンの優位性、長所とはなんでしょうか。私もつい去年始めたばかりなのと、元々凝り性な性格から事前にメルクリン以外の鉄道模型メーカー・HOゲージも調べ、実際にメルクリン以外の鉄道模型をメインに取り扱うSHOPにも脚を運びました。

サイトなどを巡回していてまず目にするメルクリンの長所は・・・

・金属素材の堅牢な車体としっかりとした走り
・他の鉄道模型メーカー製品よりもRのきついカーブも走破できる走行安定性
・独自の交流3線式を採用していることによる通電のよさ(=走行安定性)

と言った感じでしょうか。

メルクリンの最新デジタルシステム

最近だと最新のメルクリンデジタルシステムとコントロールユニットである、セントラルステーション(以下、CSと略)やモバイスステーション(以下、MSと略)を利用した多彩な双方向通信機能も大きな魅力の1つです。ちなみにメルクリン・セントラルステーションは今年ソフトウェアが最新版にアップデートされています。

私自身、欧州型鉄道模型を始めたいなぁ・・・と思い始めてから色々調べているうちに最新の鉄道模型技術でまず最初に驚いたのがこのデジタルシステムによる車両制御、特に走行音や警笛音なども実車の音声から再現する機能がついていたことでしょうか。勿論これらの機能はメルクリンの交流3線式以外のDCC規格(直流2線式)鉄道模型でも実現している機能ですが、車体バリエーションの多さと多機能さでは相変わらずメルクリンは他の欧州型鉄道模型に比し優位性を保っていると言えるでしょう。これはある程度の大きなの基盤を内包できるHOゲージならではの鉄道模型の世界ですね、車体の小さいNゲージなどではこうはいきません。

たとえば最新のメルクリンデジタル対応デコーダーである、mfxデコーダーを搭載した有名なドイツ国鉄01型蒸気機関車はライトの点灯は言うに及ばず、蒸気を発して走行する実際の走行音や、投炭音が出るだけでなく蒸気の煙がでるギミックまでついています。しかもこれら走行音などのサウンドが模型を走らせる際のスピードに応じてリズムが変わったりするので、かなりリアルな走行シーンを再現できます。

このようにメルクリンは老舗で世界最大の鉄道模型メーカーというだけでなく、最新の技術を常に取り入れているので非常に魅力的なHOゲージだと思います。

参考記事:So-net blog:Spielkiste:Central Station アップデート版

2007年8 月17日 (金)

個人輸入

欧州型の鉄道模型を取り扱っている国内のショップも増えてきたようですが、未だに目にする機会は少ないかと思います。昔はメルクリンなどは大手百貨店などで手に入ったようですが、鉄道模型人口自体が少なくなったのと、テレビゲームの普及などの影響もあり徐々に市場が少なくなったのだということもあるのだと思います。

私が去年の夏から秋にかけてメルクリンをはじめようと思った際、色々な店に出向いたり、インターネット上で情報収集するうちに以下のような状況が見えてきました。

・地方に比べメルクリン専門店が比較的多い東京においても、最新の車両や機器類などをストックしている店が少ない。

・最新のシステムに日本仕様(国内電源対応)モデルが存在しない。

関税などを差し引いても現地と比較して非常に高価

このようなこともあり、メルクリンを始めるにあたって最初のスターターキットを個人輸入でドイツから取り寄せることにしました。私は釣り道具などでアメリカから直接個人輸入などをしていた関係でこのような形で商品を取り寄せることに抵抗はありませんでしたが、鉄道模型は初めて輸入することから色々と不安な面もありました。

ただ、このサイトでもリンクで紹介させて頂いている「名古屋メルぽっぽクラブ」の諸先輩方のアドバイスで、なんとか無事に取り寄せることができました。メルぽっぽ掲示板の皆さんには本当に感謝しています。現在の日本のメルクリンファンの方々は一度は覗いたことがあるサイトだと思いますので、是非一度訪れてみて下さい。

個人輸入の際の注意事項や実際に私が購入したSHOPなどは次の機会に紹介します。

メルクリンとは

本日から欧州型鉄道模型について初心者の方でも分かるガイド的なブログを始めようと思います。中でもここで取り上げるのは歴史的にも最も古くからあり、システム的にも最新のデジタルシステムである「systems」を利用できるメルクリン社の鉄道模型と、メルクリン社のシステム上で稼動可能なスイス型鉄道模型を取り扱うHAG社の製品を中心に紹介していきます。

日本ではNゲージなどが主流になっていますが、このブログで取り扱うのは車両サイズ的にもNゲージなどよりも大型のHOゲージと呼ばれる規格です。私自身もHOゲージは車両が大きいため、日本のような家屋が狭い環境だと遊び辛いのでは?と思われる方も多いかと思います。ただ実際に欧州型鉄道模型、特にメルクリン社のような優れたシステムを持つ模型の場合このようなデメリットは非常に小さくなるものです。

私自身も始めてから丁度一年程度の初心者なので、これから鉄道模型を始める方にもメルクリンを選んだ場合のメリットなども把握しやすいサイト構成にしようと考えています。最初はメルクリン社の製品の特徴や、最新システムである「systems」の解説。また模型だけでなく欧州鉄道全般についても綴っていこうと思います。