製造メーカーによる客車スケールの違い
メルクリンが他のヨーロッパ鉄道模型メーカーと大きく違う部分に、Rのきついカーブでも曲がれることを考えた模型デザイン思想があります。これはどのような結果として現れていたかと言うと、走破性を高めるために客車のスケールのうち全長方向を切り詰めるということになっていました。ただ、このメルクリンの数少ない「デメリット」も最近では無くなりつつあることは書いて置くべきでしょう。
私は最近始めたので古い時代の客車模型のことはよくわかりませんが、私が所持しているメルクリンの客車群のうちほとんどが全長27センチのショートスケール客車です。欧州鉄道に詳しい方なら、実際の欧州の客車が全長方向に非常に長い規格で作られていることは御存知かと思います。確かに模型という玩具の性格上、リアリティを求めれば走破性やシステムの優位性などよりもROCOやRIVAROSSIなどのフルスケール模型に興味をそそられる気持ちは分からなくもありません。
ただ、嬉しいことに最近のメルクリンの新作客車はほぼフルスケールといっても差し支えない28.2センチモデルが主流になりつつあります。この新スケールのモデル達はメルクリンの持っている走破性と高い質感を維持したまま、模型としてのリアリティと精緻なディテールの向上を両立してきているのです。以前はこのディテールの部分でも他社に比べて劣る部分があったことは事実ですが、最近ではこの分野でもNo1になりつつあるのではないかと個人的には思います。
次回からはこれら、具体的な機関車・客車の紹介と最近のメルクリン製品の紹介などもしていこうと思います。