ブレーキローターの材質

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2007年6 月23日 (土)

ブレーキローターの材質

しつこいようですが、ブレーキねたです^^;

以前、ブレーキローターとパッドの関係に関して記事を書きましたが、今回はローターの材質や製法の違いでどのような違いが出てくるのか、本当に高級材質と呼ばれているブレーキローターが本当に良いのか・・・など知り合いの専門家の話などを参考に書いてみます。

ブレーキローターの材質は国産だろうと海外製だろうとほとんどが鋳鉄の一種である「ねずみ鋳鉄」という鉄で出来ています。通称FC鋳鉄と呼ばれるものがこれにあたりますが、これに対してレース用などに使用されるのが「ダグタイル鋳鉄」(通称FCD鋳鉄)と呼ばれる強化鋳鉄で、組織中の黒鉛を球状にして強度や延性を改良する工程があることから高級素材として扱われ、車以外の分野でも使われています(最近では高強度が要求される配管にも使われるらしい)。この他にCV鋳鉄などもありますが、こちらは両者の中間の性質を持つので一見良さそうですが、いきなり割れることもあるということで基本的には候補から外した方が無難です。

確かにダグタイル鋳鉄はメタル系のブレーキパッドなどとも相性が良く、温度域もより高い所まで対応できることからサーキットなどに持ち込むには最適な素材なのですが、何せ値段が高いのと硬度がきわめて高いゆえに通常使用域でのフィールやパッド鳴きなどの部分に関してはねずみ鋳鉄に劣る部分もでてきます。

私も最初は謳い文句などを読んで「ダグタイル鋳鉄はなんかよさげ」などと思い、今回もあるSHOPから発売されているダグタイル鋳鉄製ブレーキローターの購入も考えたのですが、色々な方の話を聞いてみると高級な素材だから、強度があるから良いとかそんな単純なものじゃなさそうだと分かってきました。

まず一般的に純正ブレーキローターに広く使用されているねずみ鋳鉄製ブレーキローターですが、同じねずみ鋳鉄でもその製作工程によって品質(ここで言う品質とはブレーキローターへの適性という意味)に大きな違いがあるそうです。もう少し細かい話をすると、全く同じ素材から作っても強度に大きな差が生まれるのがねずみ鋳鉄の特性で、一番大きな違いになりがちなのが製作してから冷却までの時間をどれだけとるか・・・ようするに「ゆっくり冷やした」かどうかがとても大事なんです。大量生産品でささっと作り、効率的に冷やそうとするとどうしてもこの冷却時間が短くなるので、硬度が不足したり品質にバラツキが出たりしてちょっと強めのパッドを入れただけでも熱変形を引き起こしたりします。

また熱処理済みであることを理由にローターの高強度を謳っているメーカーも多々ありますが、焼き入れそのものも600度以上の熱で時間をかけて焼いた物もあれば、バーナーで軽く焼いた程度の物もあり、実際に品質や硬度に影響する冷却工程をきちんととっていないメーカー、要は本来の生産規模に比べて大量生産しているメーカーのブレーキローターには注意が必要なようです。

よって普段は街乗りでたまにスポーツ走行を楽しむような私のような人間には、高品質なねずみ鋳鉄ローターが最適でかつコストも一番かからないという結論に至りました。私が今回のブレーキシステムの入れ替えの中で重視した項目の1つはこのローター自体の性能の部分で、購入したブレンボ GTキットや候補のAPレーシングCOXの4ポッドモノブロックキャリパーキットなどいずれも高品質なローターを使用していることでしたので、これらの製品に関しては安心して購入できると思います。
※COXの4POTキャリパーキットの品不足は、この高品質ローターの調達(生産)が中々できないことが原因のようです。

昔のAP Racingの高級ブレーキローターなどは製作からゆっくり冷やした後、一年ほど寝かせてわざと錆を出させ不純物を排出させた後で研磨して出荷していた製品もあったらしいです。。。まぁさすがにここまでやる必要はないかと思いますが、街乗りメインの人でもスポーツ走行時にきっちりブレーキを踏む人はローターの材質も勿論ですが、その品質にも気を配る必要がありそうです。

 

関連記事:ブレーキローターとパッドの関係

 

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